ビルアンサー
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耐震補強工事中 入居テナントは営業可能なのか?

耐震補強工事に踏み切れないビルオーナーの理由の1つに、資金的な問題とともに、「テナント・入居者への負担」という心配があるのではないでしょうか。特に、テナントにおいては営業を中断してしまうと、家賃が払えなくなる、というリスクが生じてしまいます。できれば、テナント・入居者にあまり迷惑をかけない方法で耐震工事を行いたいものです。

そこで今日は、入居テナントが営業しながら耐震工事を行う場合、どんな方法があるのか見ていきたいと思います。

入居テナントに負担をかけない耐震工事の施行方法のポイントとしては、

・施行範囲をなるべく限定する

・夜間や休日に施行可能な工法を選択する

・資材の搬入方法が簡単な方法を選択する

などが挙げられます。

要するに、振動・騒音・粉塵の発生をなるべく抑えた施行方法を選択するのがベストということが言えます。

一般的によく見かける耐震補強として、外壁面の窓にかかるような格好で鉄骨フレーム(筋交い)を設置する方法です。これは、建物の外観に多少の影響はありますが、建物の外壁面に鉄骨フレームを設置することで耐震強度を確保すことが出来るので、入居テナントの営業に与える影響は限定的です。

さらに、鉄骨フレームの接続をボルトや溶接でなく、樹脂接着することで低振動・低騒音で施行することが可能になります。低振動・低騒音での施行であれば、場合によって、テナントが休業している夜間や休日に施行することも可能になり、建物内での大掛かりな工事が必要ないため、入居テナントに与える負担はかなり軽減できます。

次に、資材の搬入方法については、搬入部材を小型化し、エレベーターで搬入することで、大掛かりな足場の設置を省略できたり、作業スペースを省スペース化することでテナントの営業スペースを邪魔することなく耐震工事を行うことが出来ます。

特殊な例として、隣り合って建っている2棟の建物を耐震補強するケースで、2棟の建物を鉄骨フレームで接続することにより耐震強度をUPさせる方法などもあり、これにより、建物内部の工事を極力少なくし、耐震強度を高めることが可能になる工法もあります。イメージとしては、学校の2つの校舎を屋外廊下でつなぐイメージで、屋外廊下を耐震補強用の鉄骨フレームで造るようなイメージです。これなら、建物内部の工事が格段に少ないため、テナントが営業しながら耐震工事を進めることが出来ます。

このように、耐震補強工事をしながらでも入居テナントの営業の妨げにならない方法はありますので、二の足を踏んでいたビルオーナーも次の一歩が踏み出しやすいのではないでしょうか。ただし、いづれの方法も建物の立地条件、テナント・入居者の都合などを考慮する必要がありますし、当然、低振動・低騒音・省スペースの施工方法になれば、コストの問題、工期の問題も出て来ます。そのあたりを施行業者と打ち合わせしつつ、また、別記事でもご紹介した補助金・助成金の活用と合わせて、検討を進めていきたいものです。

記事協力:一般社団法人レトロフィットジャパン http://rji.or.jp